人に説明するときに個人的に気をつけていること

どうも人に説明しなくてはならないことが最近多い.

別に教えるのがうまいわけでは微塵もないけども、個人的に気をつけていることを一旦整理してみたい.自分でも何をしたらわかりやすくなるかを意識して説明できるようになりたいのもある.説明が下手な人は本当に何回聞いてもわかりにくい.自分もそうなのかもしれないと思うと本当に不安だ.

どれもよく言われているような気がするし、報連相で気をつけることにもよく上がっている気がするが…許してください.

重要なのは以下だと思っている.

・まず全体、あと深堀.   絶対細部は先に話さない
・絵があるとわかりやすい
・難しい言葉は絶対使わない. 言葉の解説をしない
・大事な理屈は繰り返し言う.端折らない.

 

説明しているときにわからなくなるのは色々理由があると思う.

例えば

・話を聞いているうちにわからなくなる
→単語の記憶や引き出しをしているうちに他のことを忘れる.関係性が複雑になっていき溢れる.
・話を聞いているときにゴールが見えないままなので着地点がわからないまま色々考えちゃう
→結論がわからない.全体がわからない.全体の中で今どこの話をしているのかわからない.
情報の取捨選択する基準が持てず、これから来るだろう話に想像もつかないのでいろいろな可能性を考えてしまう.

結局どれも説明を受けても理解できないのは脳が色々と処理してしまうのが何よりの問題だと個人的には思っている.(科学的根拠皆無)
だから説明する側のポイントと思っている点は以下に相手の無駄な処理に対するCPU稼働率を下げて理解へのCPU実行時間を長くするかってところ.

 

・まず全体、あと深堀.   絶対細部は先に話さない

これが一番大事.スライドの構成にも関係すると思う.
まず全体像が見えないと人間の脳内でどんな展開が起こるかわからないため、多分あれこれ模索したり筋道が見えないまま考えてしまうのだろう(きっと、おそらく、たぶん)

だから先に明確にする.説明しているときは常に今どこを説明していて、なんで説明しているかを明瞭になるようにする.いつもメタ的に解説しているところがどこなのかわかれば、聞く側の中でも頭の中にそれを構成しやすくなる.整理しながら考えやすい.

一番初めの全体の解説では登場人物というか概念は3つくらいでその関係性を簡単に説明するところから始めるべきだと思っている.根拠ないけど.でもそれ以上いると複雑になってくる.

厳密な話をしたがる人もいるけど、それも後にすべき.先に全体とその枠組みを抑えて、そこができたら一段階深いところの全体とその枠組み、もう一段…と繰り返さないといけない.
解説しているときに横から厳密にはXXだよと言ってくる人がいるけど、わかっているから今はやめてくれって気持ちになる.

別の言い方をするなら「一気に説明しない」ってのもわかりやすい気をつけかたかもしれない.

・絵を描く

相手の脳に全体像を視覚的に見えるかするとともに、外部に記憶させておけて、関係性を把握しやすくする.
絵がないと例えば
「田中は橋下が好きです.太田は美空が好きで、山本は橋下が好き.でも田中は山本に嫌われていて、松本も実は美空が好き」なんですって言われただけでももうわからない.
この文章にわからない単語もわらかないだろう理論も何もない.ただ単に溢れ出る固有名詞と人間関係の記憶が全くできない.おそらくこれが絵なら一気に簡単になる.
絵で書かなくてもジェスチャーで関係性を説明することも有効だと思っている.
あと上の話は全体像が見えていないのも理解しにくい原因の一つだとも思う.

・難しい言葉を使わない

人間は一気に物事を覚えられない.しかも何かを理解しようとしているときに単語は本当に厄介.
説明を理解しながら単語を記憶から引っ張り出して変換して文脈に埋め込む作業なんてやるべきでないのは明らかに大変.
「DKOするとは開発することで、SANTANは今日って意味で、Pしてるってのはイケイケなプログラミングをしてたって意味で、SEATってのはサンドイッチを食べながら何かすることなんだけど、SANTANはSEATPしてDKOったところなんだ」
って言われてもたった4語だけでももうわからない.(自分は.書いて読み返してももう意味忘れてた…)

だから難しい言葉を使わないように説明する.もし初心者にWebの仕組みを簡単に説明するなら、
「ここであなたが(ユーザが)パソコンで(端末で)このサイト(Webページ)見たいです(取得したい)ってこの画面(Webブラウザ)でメールみたいなことをする(リクエストを送信する)と、そのメール(リクエスト)を受け取ったパソコン(サーバ)が自分の記憶(データベース)の中を探して(検索)、見つけたらあなたに送ってきてくれるの」

小学生相手にするときはこういうことを意識しやすいけど、どうも相手が大人だとやらない人が多い気がする.サーバとか言うとわからなくなるので「メッセージ受け取ってくれる人」とか.
擬人化が一番わかりやすい.しかも何をしてくれるものなのかで名前をつけた方が関係性と役割が明確になる.

解説中に言葉の説明もしない方がいいと思っている.「~~~なんですよ.これをXXっていうんですけど」って説明する人がいるけど、名前はどうでもいいと思うので、そのタイミングでは何も言わなくていいと思う.(多くの場合)

・大事な理屈は繰り返し言う

これも記憶の手伝い.人間は一回説明したことなら相手がすらすらその理屈を全部頭から引き出せると思っている気がするけど、実態はそうじゃないと思う.

AだからB、BだからC、CだからDで、実はEってのはAと一緒だから当然Dなんだって言われるとえ??なんでってなる.

どうしても理屈を積み重ねていくと当たり前として扱っていい理屈を飛ばしがちになるけど、初めて人の話を聴く人にはまだ聞いてまもない体に染み付いていない理論.だから引き出すのにも時間がかかる.たとえそれを言うのが大変でも早口でいいから必ず何度でもその導出を言う.

AだからB、BだからC、CだからDで、実はEってのはAと一緒だから、AからBからCから当然Dなんだ

って説明するように心がけてている.もう3回は言ったなと思ったらもう言うのをやめる.

よく学生のときに教授だかなんだかに説明するときは幼稚園生だと思って繰り返し同じこと言った方がいいと言われた.それぐらい大事なことは誰が相手だろうと人間なら何回も言った方がいい.「大事なことなので2回言いました」は正しいけど、少ない.あと、2回連続で言うのではなくて、先の話はもうだいぶ前のトピックと感じたら言及する.

 

あとは小さな話だけど

・理論だってると覚えやすいので、簡単な理由をつけて見るようにするか謎理論を用意する

「このXXってやつは、YYするのが好きで、いつもZZするんだ」とか適当な擬人化を織り交ぜると説明を受けた側の中で話を考えやすくなる.XXって聞いた時にそいつはいつもYYしてZZするやつだってのが思い出せる.だからなんの理由も本当はないものにも、こちらで謎理論を用意すると(虚構の)理論だった理解が可能になってスムーズになる.本当に理解するのはちゃんと話が終わってからでいいはず.

・なるべく例えを出す.ただし、出しすぎない.あとは無理のない例がベスト.

下手くそなアナロジーはかえって理解の妨げになりかねないので、多用したいが慎重に使うようにしている.アナロジーで考えると一気に説明しなくても他の特徴を想像できることがメリットになる.攻撃的なものなのか、基本何もしなさそうなものなのか、とか.でも、何かを守っているわけでもないのに警官に擬人化したり、何かを監視しているわけではないのに刑務官に例えたりしたら、もう全く理解できなくなる.
だから無理のない例を出してその世界の中で首尾一貫した役割を持てるような例になるように気をつけたい.

・似たような概念または似たような名前は全く別の呼び方をするようにする.

ややこしい概念で理解がぐちゃぐちゃになる系.これものちの引き出しが煩わしくなり理解がしにくくなるケースの一つだと思う.「わかりにくいんだけど」って言ってそのまま説明する人を観測するが、わかりにくいまま説明するなっていつも心の中で叫んでいる.
どうわかりにくいかは色々あって、概念が似ていたり名前が似ていたりってなっているけど、工夫のしようはあるはず.どこが違うかを強調するような形で呼び分けた方がいい.

 

こんなところかな.自分で書きながら少し整理がついた.

よく報連相関連でも言われることは陳腐だけど正しいことなんだと改めて思う.

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